レリーフの製作方針とご挨拶
 
 肖像画は写真のように写実性を重んずれば良いと云うものではありません。写真製版
技術によりリアルな版下を作製することができますが、装飾物としては適しません。
 また写真にしても本人の持っている自分のイメージが他人の見たイメージと同じとは
限らないのです。
 当工房で製作するレリーフは「ご自分の気に入った写真」をスキャナーでコンピュータに取り込み、輪郭線を抽出。本人の特性を表す線のみを選択して、いらない線は捨て去ります。
 輪郭線はCADに画像データとして取り込まれ、コンピュータ処理してCAMにより
2次元半のマシニングセンタープログラムとして出力されます。
 
 レリーフや肖像画、銅像などは経験をつんだ芸術家が丹念に製作して始めて完成します。しかし人が製作するものですから、似ている似ていないと云う問題が発生します。
 また製作に多くの日数を要し誰でもが製作希望できるものでは有りませんでした。
 当工房で開発したシステムによる製品はこうした問題を解決してレリーフを身近なものとしました。制作費も比較的安く、一枚で製作してもベースとして8万円からの予算で製作可能です。
 しかもご本人の字を取り込むことができますので、アイデンティテーそのものを表現できる訳です。
 
 ピアノと云う楽器は他の楽器の音色を表現できると云われています。けっして たたけば
良いと云うものでは有りません。日本の楽器、太鼓や三味線も熟練するとまるで音色が
違います。
 またオーボエやクラリネット、サックスホーンはより人間味のある表現が可能だとも
云われています。
 当工房のレリーフはデータ製作過程に人間が介在することにより、モノトーンでありながら、暖かみ、人間味の表現に成功しています。
 また僅かですがタッチを変えることにより、荒々しさ、優しさ、実直性、知的雰囲気、寛大さなど人間性に付随する属性も表現可能です。
 芸術の領域に踏み込むには、製品そのものに緻密さ、新規性、生命力、歴史性などの要素が必要であり、レリーフを一般のものとして広めるには適当では有りません。
 今日本に「顔のある文化」が必要だと考えております。「平安の雅」、「鎌倉の質実剛健」
「江戸の粋」と日本人は世界に誇れる文化を創造してきました。
 そして現在、日本は工業力と云う資源を利用して文化を創造する事が可能です。当工房のような挑戦が絵空ごとに終わるか??、日本がアジア文化の中心としてリーダー的な役割を果たして行くか??、或いは、私の杞憂などとは無関係にダイナミックに発展して行くか??。よく分かりませんが、現在の閉塞感を見るにつけ、これからの社会を担って行く青年に期待するところであります。
 個人的な意見ですが、「日本の文化」、「アジアの文化」は深化したが故に、英語に翻訳するのが難しく、欧米の方々に理解してもらうのが難しいようです。
 「顔のある文化」は多弁をヨシとしない国民の自己表現の一つの手段として有益だと
考えます。
 当工房で何故この仕事を手がけるか? ずいぶん悩みました。故に長々とこの一文を記したのですが、ご感想など頂ければ幸いです。すでにホームページ立ち上げよりホームページ製作のヒントなど多くのご意見、ご教授を頂き、大変感謝しております。「多くの方の意見を採り入れながら、成長する」と云うコンセプトがこれからの日本文化創造に必要だと考えている次第でございます。